臨床研究教育の現状

臨床研究を成功に導くには、企画、立案する研究者のほかに、実施を支援する人々の協力が必要です。即ち、研究のアイデアを実際の研究実施のプロトコールに落とし込む臨床疫学者、得られたデータを解析できるような形に整えるデータマネジャー(DM)、それらのデータの解析の計画を立案・実施する生物統計家、そして計画された研究を恙無く進行させるために患者のリクルーティングやデータ入力を支援する臨床研究コーディネイター(CRC)など、様々な職種の人々の関与が必要です。
基礎研究に比較し、このような多くの人材のチームプレーでなされる臨床研究は、わが国の医学界では元々不慣れであることが、現在の臨床研究の遅れの原因と思われますが、一方でこうした臨床研究の人材育成に力を注いでこなかったこともその一因です。
近年こうした現状は認識されてきており、CRC、DMの育成を積極的に行ってきていますが、育成された人材が実際に現場でそれぞれの役割を担っている割合は必ずしも十分ではなく、現状では臨床支援育成支援人材のキャリアパスが明確でないことも指摘されています。欧米と異なり、体系化されたプログラムがそれぞれの職種において不十分なのも、このキャリアパスが未完であることと大いに関連があると思われます。キャリアパスを明確化した上での体系的な臨床研究教育の場が早急に望まれます。
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